UVカットフィルム(建築用窓ガラス用フィルム)の効果について

 

窓ガラス用UVカットフィルムの効果

紫外線は、可視光線(目に見える光)より波長が短く、エックス線より波長が長い不可視(目に見えない)の電磁波で、UVA、UVB、UVCの3つのカテゴリに分類されます。

ほとんどの窓ガラス用UVカットフィルムは、3Mやリンテックをはじめとする国内主要メーカーのほとんどの商品が、UVA(紫外線A波)UVB(紫外線B波)を99%以上カットする性能を有しています。

※UVCはオゾン層に吸収されるため、地表には届きませんので、実質すべての領域の紫外線をカットできることになります。

 

 

紫外線の特性と人間への影響

紫外線は3カテゴリに分類されます。それぞれのカテゴリでどのような特性があり、私達、人間にどのように影響するか見ていきましょう。

 

UVA(紫外線A波)

  • 地表に降り注ぐ紫外線の約95%を占めるのがUVAです。波長が長く、家の中、雲、ガラスなどを透過します。
  • UVAを浴びることで、肌の奥深くまで到達し、肌が黒くなります。
  • コラーゲンを変性させ、シミやたるみの原因になります。

 

UVB(紫外線B波)

  • 地表に降り注ぐ紫外線の5%がUVBです。
  • 主に肌の表面で吸収されます。
  • メラニンを生成する細胞であるメラノサイトが刺激され、メラニンが多く作られることで、シミやそばかす、色素沈着の原因になります。
  • 皮膚がん、白内障、免疫低下の原因になると言われています。

 

UVC(紫外線C波)

  • オゾン層で吸収されるため地表に届きません。
  • 殺菌力があり、殺菌ランプなどで使用されています。

 

※家具調度類の変色、色あせは紫外線だけでなく、赤外線や酸化なども影響するため、ここではあえて解説していません。

 

 

UVカットフィルムの透明度について

無色透明なUVカットフィルムが各メーカーから発売されていますが、仕組みとしては、フィルムの粘着層(無色透明)に紫外線吸収剤が入っており、その上に基材のポリエチレンテレフタレート(ペットボトルなどで使用される透明なプラスチック素材)が層になっているため透明になります。

 

 

UVカットフィルムの耐用年数について

窓ガラス用UVカットフィルムは、どれくらい効果が持続するのでしょう。

建物や窓ガラスの性質に応じて、①内貼り用フィルム(フィルムは原則室内側から貼ります)、②外貼り用フィルム(内貼りできない場合、外側からフィルムを施工)の2種類のフィルムがあります。

製品ごとにメーカーから耐用年数が公表されていますので、そちらが正しい情報になります。

今回はあくまでも実際にフィルムを建築物で使用する際の耐用年数目安をご紹介します。

 

内貼りの耐用年数

内貼りの場合、一般的に耐用年数は10~15年です。

 

外貼りの耐用年数

外貼りの場合、一般的に耐用年数は5~7年です。

 

メーカーが公表する耐用年数と、減価償却資産に係る耐用年数は別になりますので、注意が必要です。

 

 

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